言葉に出さない文化
沖縄で知り合った、シアトルのIT企業に勤めている友人がいます。
彼女の母親が体調を崩された事もあり、彼女は昨年から時差と闘いながら沖縄でリモートワークを行っています。
日系フィリピン人であり、語学が堪能なので世界各国のカスタマーサポートをしていますが、「日本人がダントツで難しい」と言います。
日本人の私よりも丁寧で流暢な日本語を話され、気配り上手なので意外でしたが「言葉の奥にある感情を読む文化が大変」と言われました。
彼女が言うには、日本では「察してほしい」「言わなくても分かるだろう」というテレパシー能力が必要なのだと。
言わないことが聞こえる日本人
表情や態度、言葉のトーンなどの情報から相手の本心を察する必要があるから難しい。との事なのです。
そういえば、帰国子女あるある動画で「日本でサングラスをかけてると、気取ってんじゃねーよ。みたいな感じに思われるから気を遣う」と言ってる人がいました。
「英語の方が楽なんです。」とブログに書くと「英語が出来ることを自慢したいのか。」という非難のコメントが来たという友達もいて、日本は生きにくい国だなと感じました。
テレパシーが誤作動を起こしているのかどうか知りませんが「言ってない言葉」が聞こえる人は割と多く、日本人の私も疲れる事があります。
言っていることが伝わらない外国人
10年ほど前、フランス人男性とフランスの出版社に日本の漫画を売り込もうという話になり、少しの間やり取りしていた事があります。
最初は英語でしたが、途中から「僕は日本語が得意だから日本語で大丈夫。」と日本語でメールが来るようになりました。
翻訳機を使ってるのかどうなのか長々として全く意味が分からないので「理解できないから英語にしてほしい。」とお願いしました。
ですが、意地を張っているのか「ぼくは日本語が得意ですが、あなたは日本語が分かりませんか。」と返ってきて苦笑したことがあります。
人をバカにするタイプの方ではなかったので表現の仕方を間違えたのだと思いますが、この人とは仕事が出来ないと感じました。
以降、返事は返しませんでした。
殆どの日本人が実際は英語を話せるはずなのに「話せない」と言うのも変ですが、話せないのに話せると言い張るのも困りものです。
帰国子女が「英語の方が楽だ。」と言うと「自慢したいのか。」と言うのも変ですし、「英語で書いて欲しい」と言うと「日本語が分からないのか」と日本人に言うフランス人も変です。
よく分かりませんが、なんとなく考えさせられる一件でした。
変な美学は捨てるべき
「言葉に出さなくても、心が通じ合っている。」
こんな寝言は言わず、人間なのだから言葉で話してください。
言葉や行動の裏を読みすぎるのも面倒くさい事ですね。
そして、気配りという美学の定義も曖昧です。
「気配り」と「おせっかい」を間違えている出しゃばりさん。
おせっかいは、承認欲求です。
気配りができる人は、黙って見ていることも上手いものです。
「本音と建て前」は、メンタルを崩壊する原因だと思いますね。
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