会社を作らない方が良い理由

QOL

「僕も会社を作ろうと思ってるんですよ。」
と、昔の後輩から電話を貰いました。ふんふん、と聞いていると「やり方を教えて貰えませんか?」と漠然とした質問が飛んできました。
「行政書士に頼んだらいいよ。」と答えると「いえ、僕も何かECで売ろうと思うんですが、何をどう売れば手っ取り早いか教えて貰いたいんです。」
口調からこの先の会話が身の上相談みたいになる予感が漂ってきて、困ったな~どんな風に説得しようかなと頭の中で考えている自分がいました…
ここまでで分かると思いますが、このような人は先に会社を作るべきではないというのが私にできるアドバイスです。

個人事業からスタートするメリット

代表取締役の肩書が欲しいだけなら他人様の価値観を否定はしませんが、そのような浮ついた見栄が目的では恐らく成功することは難しいと思います。
そもそも会社経営は物凄く地味で泥臭い仕事で、思い描いた通りにならない方が多いのが普通です。税金の事に関しては税理士や会計士に相談できますが、それ以外は自分との闘いですのでマニュアルはありません。
経営者は自分ですので、誰かに教えてもらう事でもありません。
結論を言うと「急に法人を立ち上げるメリットは少ない」という事です。
まずは個人事業主から始めコツコツと実績を積み上げ、利益が出てきた時点でメリットとデメリットを検討し法人化するのが失敗しない方法です。(法人成)
利益が500万くらいになれば法人化した方が良いと言われていますが、どう見ても儲かっていそうな弁護士や派遣会社の知人が未だに個人事業主なのを見ると利益を残さないように経営されているのだと思います。
それが”賢い経営”です。

法人化するタイミング

自分のケースで言うと、サイドビジネスで個人事業主を4年間続け、行政から「法人化すれば継続的に発注できる」との話を貰ったことで法人化に至りました。
売り上げの見込みが立っていない場合、まずは個人事業主で実績を作り売り上げが安定してから法人化する事をお奨めします。
300件くらい案件をこなした時点で法人化した時に力になってくれそうなクライアントも10~15社くらい出てくるはずです。また、株式にする必要が無ければ立ち上げ費用が安価な合同会社が良いと思います。(Amazonの日本法人も合同会社です)

法人のメリット

・商用輸入など法人限定の業務が可能になる。
・行政の仕事を受託できるようになる
・有限責任である
法人化するメリットは、投資や借り入れがスムーズになる事です。だいたい3~5年くらい経営して年間売り上げが4000万程度になれば、金融機関も気持ちよく付き合ってくれると思います。
最初からM&Aや売却も視野に入れ、安定したところで売却して投資に転向する人もいますし、大きな資金を動かすメリットは大きいと思います。

法人のデメリット

・事務処理が煩雑になる
・フットワークが重い
・法人税を支払う義務がある
ここ5年くらいで特に感じますが、法人化するとフットワークが重いです。特に本社を移転するときには銀行や登記変更、様々な手続きが必要になり個人の引っ越しとはワケが違います。
また、役員の任期に対する申請など会社が存在するだけで膨大な事務手続き、それに関する経費が発生します。

個人的な見解

個人の力に焦点を当てる

過去12年間で、個人事業主に戻したいと思ったことが数回ありました。
自分の好きな事業(写真事業)に投資しようと思い、ECを売却して売り上げが激減した年と、その翌年です。
特に写真のように自身がプレイヤーになる職業は、費用対効果も労力対効果も悪いので法人を残す意味がありません。
結局、写真事業は企業とのタイアップの話を進めている途中、早々に見切りをつける事にしました。
タイアップする企業自体も仕事が激減しているため、1日マックスで5~10万、経費や人件費を含めるとかなり難しいことに気付いたのです。
好きだからという理由や人脈があるという理由だけでは、事業は成立しないという良い例でした。
ベースがあっても難しいと感じましたので、もしも明確な収益化モデルがないまま「会社を作れば信用が出来て仕事を貰えるだろう」と思っているなら、とんでもなく大きな勘違いです。
どこで、いくら収益が取れるか。それは、いつまで続きそうか。
それが個人で出来るものなら法人立ち上げにお金をかけず、個人で動くための予算に回しましょう。

私は会社を経営していますが、最近は会社の業務とは別に「個人での収益」を作る仕組みについて色んなチャレンジをしています。
今後は「個人の力」が企業を抜く時代になりますので、余分なコストを使わずパーソナルブランディングを構築してビジネスモデルを作る方が大切である事は間違いありません。

コストパフォーマンスが良いインターネットを活用する

念を押しておきますが、お金をかけることを極力しない方が賢明です。
無料または低コストで活用できるものを整理してみましょう。
①デバイス
・PC、スマホ
②インターネット
・メール、ウェブサイト、EC、アプリケーションなど
②SNS
・YouTube、Facebook、Twitter、Instagram
③自分
・自分自身の持っているコンテンツと実績
・時間
これらのものは、ほとんどの人が使えるものだと思いますので、ここから商品を作る作業になります。
ワークシートをダウンロードして、何が出来そうかを実際に書き出してみましょう。

オリジナルグッズのドロップシッピングをご紹介します


ここで私が会社勤めをしながら副業を得ていた方法を一つご紹介します。
「起業したいけど何をしていいのか分からない。」という方がいらっしゃったら、お勧めしたいのがEC+発信+ドロップシッピングです。
「することがないのに起業なんて考えるべきではない。」という声が聞こえそうですが、現状が見えていない周囲に歩調を合わせていたら一緒に沈没するだけですので、絶対に副業を始めるべきだと考えます。
海外の現状や本を読めば日本人が取り残されていることは誰でも分かる事です。

ドロップシッピングの業務は、ECの運営やマーケティング方法も自然に身についていきますので、その知識だけでも間違いなく大きな財産になり他の業務を始める時に役立つというのが理由です。
これは私が会社勤めをしながらやっていた「パソコンがあれば出来るサイドビジネス」で、ノーリスク、無在庫で誰でもオーナー(小売店)になる事が出来る方法です。
ノーリスク、無在庫というのは、注文が入ればメーカーからお客様に直送することで手元に在庫を抱えたり自分で出荷作業をしなくても良いという意味です。私はインターネットで販売していましたが、店舗を経営されている方は店舗とネットを活用できます。
日本の流通は特殊なので誤解されやすくアフィリエイトや転売などと比較されることが多いのですが、海外では一般的な流通制度で利益率も20~50%と高いので、アフィリエイトなどを考えている方は先に検討されると良いと思います。
ドロップシッピングの業務内容はメーカーの商品をインターネットや実店舗で販売する形になります。
ここで間違えてはいけない事はドロップシッピングはメーカーとの契約が成立しており「販売者としての責任が生じる」という事です。
商品を購入した時に不良品があったら購入したお店に問い合わせすると思いますが、その「お店(販売代理店)」の立場になり対応しなければなりません。
転売が禁じられているのも、このような「責任が明らかになっていない立場」で利益を得る行為からメーカーや消費者を保護する観点からです。
15年ほど海外のドロップシッピングに関わっていますが、日本では未だに「ドロップシッピング」を勘違いしている方が多いので御注意ください。

わたしを、
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OEM専門企画室

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