※写真※土田ヒロミ先生 ポートフォリオレビュー(2018年広島)
写真家・写真作家・カメラマンは全て違う
「ひろしま女子カメラ部」を主宰していた10年間、様々なカメラマン、写真作家さん、写真団体、カメラ販売団体とお付き合いをさせて頂きました。
カメラマンの中でも報道写真家、スタジオカメラマンなどジャンルが分かれてきます。
たくさんの写真のプロフェッショナルと接して分かった事は「写真家とカメラマンは異なる職業だ」ということです。
プロカメラマンは対価に見合った完成度の高さを要求されますが、「自分を表現する」写真作家は完成度ではなく「自分が納得する作品作り」を目指します。
目的が違うため着眼点や考え方が異なり、撮影方法も作品も大きく変わってきます。
ウェディング写真や集合写真、カタログ用の写真などプロに依頼する場合も多いと思いますが、物撮りはライティングの上手いカメラマンを。グラフィックデザイン等アート要素の強いものには感性の鋭い写真家など、目的によって誰に撮影依頼するかを検討されると良いと思います。
いまはスマートフォンにもカメラがついているので、誰でも気軽に写真を撮る事が出来る恵まれた時代です。
何よりも、御自身で撮られた方が良い写真も沢山あります。
某人気写真家が「撮っていなくて後悔した写真」
これは過去に主催した、ある人気写真家の講座で最後に話された言葉です。
僕は様々な写真を撮ってきましたが、今でも撮ってなくて後悔しているものがあります。
それは、母の写真です。
母が亡くなって遺影に手を合わせるたびに、これは僕に向けられた笑顔ではないという事実に胸が痛みます。僕は数十年間写真を撮ってきたのに、母の写真を殆ど撮ってなかったのです。
そして毎日その遺影を見ているうちに、僕に向けられた母の笑顔や普段の表情を思い出せなくなりました。
皆さんに、お願いがあります。
大切な人が居なくなった時、毎日見たい写真はどんな写真でしょうか?
きっと誰かに撮られたよそ行きの笑顔ではなく、いつも見ていた自然な表情を見たいと思うはずです。
家族の日常は家族にしか撮れません。縁起でもないと言われるかもしれませんが、どうか今日の僕の話を覚えておいてください。その時しか、あなたにしか、撮れないものがあります。
会場の人達が水を打ったように静かになりました。それほど心に響いた言葉でした。
年を取ると子供の小さかった頃が懐かしくなります。
私自身も「子供の笑顔や良いシーンばかりを狙わず、泣いた顔や怒ってるときなど、もっともっと撮っておけばよかった」と思っています。
写真を見ると撮ったときの記憶がストーリーになって甦ってきます。その時は子供が泣いてる事にイライラしたり面倒だったりしますが、その一瞬は二度と戻らない事を意識しておけば少し気持ちに余裕が出たのかもしれません。
今は「フィルム」と違ってデジタルカメラなので、何枚撮ってもお金が掛かりません。
ぜひ、家族の写真を撮ってください☆
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